今週の効果音

第4回剣の音


シンセサイザーを使って、音作りをすることもあります。僕が使っているのは、KORGのZ-1という機種です。この機種のウリは、音源方式にフィジカルモデリングがあるということでしょうか。フィジカルモデリングとは、音が発生する様子を方程式で表して、パラメータを設定し、それに従って発音させる方式です。そのため、かなりリアルな音を作ることができます。

しかし、僕にはそこまでの音を作る能力がなくて、この機種のポテンシャルを引き出せていないかもしれません。そのため、僕が今回主に使った音源方式はフィジカルモデリングではなく、フェイズモジュレーションとホワイトノイズです。

フェイズモジュレーションというのは文字どうり(?)、波形のの位相を変化させて倍音(*2)を生む方式です。波形に正弦波を選択することにより、ベル系の音は作れます。ゲーム中でも、シンセサイザーを使って作られたと思われる効果音は、主にこの音源方式を使っています。ベル系の音を作っておいて、アタック(*1)を軟らかめに設定する、と。

リアルな効果音っていうのは、実はかなりノイズ成分があるんです・・・って、僕の耳は分析したんです。よくありがちな、風の音とか波の音とか、あれもほとんどノイズです・・・よね、多分。

だからホワイトノイズにフィルタ(*3)を通してレゾナンス(*4)など上げつつ、剣の音など作ったのですが。


剣の音
[ .aiff | .wav | .mp3 | .au | .rm(streaming) ]

the sound of sword
fig.4 剣の音 (1.0s)


やっぱり、使い方が難しいかな、と思ったりします。

あとホワイトノイズは、生音を録音してきて、それの後ろに薄く流していたりもします。聞こえるか、聞こえない程度で。

ホワイトノイズは、なんでホワイトノイズって言うか知っていますか? ホワイトノイズは、低い音から高い音まで、すべての周波数成分を持っていて、光で言うところのすべての周波数成分を持つ色は白だから、ホワイトノイズって言うのですが、べつにどうでもいいことですね(*5)、はい。では来週。

*1 音の立ち上がり、出始めのこと。
*2 音って基本的に、周波数の違ういくつかの正弦波の重ね合わせなんですね。その時の、その音の周波数以外の正弦波のことをいいます。
*3 コーヒーのフィルタを思い出して下さい。あれはお湯とコーヒー豆を分離しますよね。このフィルタはその物体の大きさによって判別されるものなのですが、ここでいうフィルタは、ある周波数より大きい/小さい周波数をカットするものをいいます
*4 *3のフィルタで設定した周波数付近の音を強調するパラメータ
*5 なんでこんな説明しているんだろう。その前に、このページを見ている人はいるのか!?


今週の効果音では、以下のフォーマットで、効果音を提供しています。
[ .aiff ] 44.1kHz,16bit
[ .wav ] 44.1kHz,16bit
[ .mp3 ] 44.1kHz,16bitの.aiffを52Kbpsで圧縮
[ .au ] 44.1kHz,16bitの.aiffを8012Hz,16bit,mu-lawで圧縮
[ .rm (RealMedia) ] 44.1kHz,16bitの.aiffを16Kbps Voice - Widebandで圧縮 .rmのプレーヤーは、こちらから。

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