今週の効果音

第6回ゴーレムの叫び


そのむかし、人は声楽と器楽とを完全に区別しており、声楽をしている人は、周りから高く見られていたそうです。自分達の発する声に音程をつけて、さらに感情まで付け加えるのですから。

現代において、声というものの地位はいくらか低下したような気もしますが、やはり特別なものに見られている様です。友人でバンドをやろうとする時、やはりヴォーカリストになりたい人は多いでしょう。単に目立つからかもしれませんが。

声の地位が下がったというのは、録音という技術が発達したことに関係もあるのでしょう。音というものは大気圧からの変化分の圧力であり、録音とはそれを電圧として保存するものであり、その点から言えば、声も楽器の音も環境音も、全て等しいものとなってしまうからです。

録音技術を発明したのはエジソンですが、その頃からさらに時間をすすめてみましょう。現代では、音を電圧で記録し、それを数値で記録することができます。声も単なる数列になってしまったわけですから、安価になったPCを用いれば、誰にだって声を加工することができます。僕にしても、このような状況になったため、音を加工、編集しようと思うようになったのです。

そのため、音を加工するスキルのない人が音をあやつることになるかもしれません。僕もまだ、そんなに技術を身につけているわけではないので、やはり音をあやつる時に間違った方向に走っていました。

今回もは、そんな音の一つである、ゴーレムの叫び声です。シンセサイザーの音や、生音を編集したものならば、それなりにゲーム画面にあてはまって聞こえるかと思いますが、この声は、このゲームの雰囲気をぶちこわしてしまいました。

こわい、との評価を受けました。確かに単独で聞いていてもこわい声ですが、このゲームの流れの中でこの音を聞くと、この声がさらに浮き出てしまいます。ま、この音がボツになったのは、ゴーレムは喋ることができないということを、僕が忘れていたからですけど。


the shouting golem's sound
fig.6 ゴーレムの叫び (1.12s)

ゴーレムの叫び
[ .aiff | .wav | .mp3 | .au | .rm (streaming) ]


テレビ画面に映す時に一番難しい色は、人の肌の色だそうです。誰もがこの色を見なれているからなのでしょうか。赤色も、その機械の性能を測る上で参考になると思いますが。

さらにいうと、PCM音源を作る時、エンジニアはピアノの音に最も注意して作るするそうです。ピアノが一番人に近い感じがするのでしょうか。単純に、一番人の声に近い音はサックスの音だとおもうのですけど、サックスが評価基準にはならないのでしょうか。金管楽器のきれいな音源っていうのも、欲しいとも思います。

先日、大学の授業で、音声の合成をする実験をしました。母音を作ったのですが、あんまり明瞭に作ることができずに、どの音も似たようなものになってしまいました。やはり声というものは難しいようです。


今週の効果音では、以下のフォーマットで、効果音を提供しています。
[ .aiff ] 44.1kHz,16bit
[ .wav ] 44.1kHz,16bit
[ .mp3 ] 44.1kHz,16bitの.aiffを52Kbpsで圧縮
[ .au ] 44.1kHz,16bitの.aiffを8012Hz,16bit,mu-lawで圧縮
[ .rm (RealMedia) ] 44.1kHz,16bitの.aiffを16Kbps Voice - Widebandで圧縮 .rmのプレーヤーは、こちらから。

[ 今週の効果音のトップに戻る ] [ サウステンジンゴーレムのトップに戻る ]

(C)1999 Copyright by Manabu Kawamura. All rights reserved.