今週の効果音

第7回穴に落ちる


音を文字で表すことは、とても興味深いことではないでしょうか。それぞれの聞き方にもよりますが、その音の特徴的な部分が、よくあらわれると思います。

例えば、何かが爆発する時、「ドカーン」と表すでしょう。「ド」が、その爆発の初期段階で、「カーン」で、破片などが飛び散る様子を表すと思います。

つまり、何かの爆発を「ドカーン」とあらわす人は、爆発そのものと、その後の破片の飛び散る様子という、二つの特徴をそのイベントから抽出していることになります。

僕は効果音を考える時に、このように頭の中で音を文字として考えて、その特徴から実際に音を作ったりすることもあります。「ドカーン」なら、「ド」と「カーン」にあたる音を探してきて、または作って、それらを合成します。

これを周波数に着目して考えると、「ド」には、低い音で大きなエネルギーを持ち、爆発の威力の大きさを感じられて、「カーン」では、比較的高い方の音を表しているでしょう。

今回の効果音は、「ホワァ」と「シュー」が混ざった音でしょうか。ホワイトノイズっぽい音を、時間とともにローパスフィルタのカットオフ周波数を上げていった感じ、と表現できるでしょう。で、低い方と高い方が分離して聞こえるので。実際に、シンセサイザーでそのようにして作った音です。


the shouting golem's sound
fig.7 穴に落ちる (247ms)

穴に落ちる
[ .aiff | .wav | .mp3 | .au | .rm (streaming) ]


スキルのある人ならば、この音を作る時、「ホワイトノイズをローパスフィルタに通して、カットオフ周波数を500Hzから4kHzまで、500msで上げて、EQは1kHzをQが4で、4dB上げて。」などと言うのでしょうが、僕にはできません。いや、本当にそう言うのかはわかりませんが。

音を文字でうまく表現しているものに、マンガがあると思います。マンガはかなり参考になるのではないでしょうか。


今週の効果音では、以下のフォーマットで、効果音を提供しています。
[ .aiff ] 44.1kHz,16bit
[ .wav ] 44.1kHz,16bit
[ .mp3 ] 44.1kHz,16bitの.aiffを52Kbpsで圧縮
[ .au ] 44.1kHz,16bitの.aiffを8012Hz,16bit,mu-lawで圧縮
[ .rm (RealMedia) ] 44.1kHz,16bitの.aiffを16Kbps Voice - Widebandで圧縮 .rmのプレーヤーは、こちらから。

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