今週のドリーム

第二時代 SSGに涙

 SSG 音楽の栄光について。

ファミコンが世の中に登場した頃、ゲーム音楽はSSG 音源だった。
一部のパソコンでFM音源というきれいな音が出るやつがあるぞ、と友達にきいても、僕はSSG を所望した。 SSG 3音+ノイズ1音。音楽にとっては本来ものすごい制約のはずなのに、名曲は数多く生まれている。

短いループが延々と続く音楽にこそ、未知の魅力がひめられている。
表示できる色の数が増えたといって、いいゲームが生まれるとは限らないように、いい音が出せるようになったからといって心にのこるメロディーが生まれるわけでもない。
僕はファミコンのゲームをやって育ってきた。
友達がやっているのを眺めているのも好きだった。
一日何十回も同じ曲を耳にすることになる。
他のどんなジャンルの曲をもってしても、ここまで洗脳してしまう音楽はないだろう。
気がつけば無意識のうちに頭にメロディーは流れ、口ずさんでしまっている。
スターフォースをやった人間にとって、「タッタタッタタッタタッタタッタタッタタン チャララランリラン チャララランリラン タラッタラッタラッタラッタラン」と書けば、あのメロディーはよみがえるのだ。
楽譜があるわけでもなく、カセットテープに残してあるわけでもなく、スターフォースを今も大切に保管してあるわけでもない。
ただ、小学校の友達に貸してもらって、冬の寒い朝に、学校行く前に遊んでいた記憶があるのみだ。しかし、あらゆるメロディーはあたまに残っている。
同じ音を出すものに、ゲームボーイがある。僕は、ドラクエの曲を聞きたいがためだけに、ゲームボーイを買って、ドラクエモンスターズを買った。ゲームボーイだけは、いつまでもピコピコ鳴っていてほしいと思う。

当時のどんなゲーム音楽が印象に残っているか。
ゼビウス、スターフォース、レッキングクルー、アイスクライマー、ドルアーガの塔、スーパーマリオブラザーズ、イーアルカンフー、マッピー。体の弱い主人公にぴったりな音楽が印象的なスペランカー。それからなんといってもわずかな時間だけしか音楽のない「フォーメーションZ」。
口ずさめる音楽があるということは幸せだと思う。
どれ1つとっても、もはや人生の断片なのだ。

 

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