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徹夜で語り合う話題といえば、 |
お題:「作曲のはじまり」
バンドを結成することにしました。その名も『銀星プール』。
言い出しっぺはカバくんという、最近キャラメルポット社周辺をうろつく男で、メンバーは、……なにやらまだ秘密。
彼がいうには、ZABADAKのような民族系というかなんというか。
そこで、このバンドのためにオリジナルの楽曲を作ろうではないか、という話になったわけです。
こんなに、このコーナーにうってつけのイベントはない!
というわけで、これから何回かは、カバくんとともに作曲の一例を学んでいきましょう。
夜中に集まる
僕が仕事場から学生寮に戻ってくると、カバくんの部屋に電気が点いているではありませんか。時に午前2時。この機を逃してサッキョクの時間はありえません。さっそく彼を呼びつけます(僕の方が先輩ですので、彼は僕の言うことには素直に従わねばならないのです)。
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作曲するカバ |
作曲の天才 |
天才の熱のこもった様子 |
さて、カバくんはまったく作曲経験がありません。それどころか、楽器をまともに演奏することもできません。でもバンドはやりたい、ぜひ作曲を!と意気込みばかりが空回り気味です。このままでは何も生まれそうにないので、僕がキー(ハ長調とかヘ短調とか)とメロディのモチーフを演奏しました。
ソプラノリコーダーをメロディ楽器として使いたい、というのがコンセプトにありましたので、キーはイ短調(シャープもフラットも使わないで、ラから始まる)で。リズムはとりあえず4分の4拍子なら間違いもないだろう、ということになりました。最初はかわいらしさを出せるようにハ長調(シャープもフラットも使わないで、ドから始まる)にしようと思ったのですが、カバくんが
「それはライブの最後っぽいですね」
などと言ったのでイ短調です。
長調は明るい感じに、短調は暗い感じになります。カバくんはひょっとして屈折しちゃったのかな?と最初心配になりましたが、寒い地方の民族音楽は短調のものが多いようにも思えるのでOKでしょう。
というわけでぼくはポロポロリンとモチーフを弾きます。カバくんが「いいっすね」「さっきのほうがいいっすね」「なんてゆーか、フォークソングっぽいっすね」という表現を駆使しつつ僕に指示を与えます。ちょっと生意気な奴だなと(前々から)思ったので、譜面起こしという面倒くさい作業はカバくんにさせることにしました。
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カバくんが生まれてはじめて書いた譜面(16KB) |
よくみると、というかぱっと見て分かるように、かなり間違っています。でもいいんです。大事なのは、今日、この、夜中の勢いで作ってしまった曲を忘れないようにメモすることなのです。
さあ、曲ができてきたのでタイトルをつけることにしましょう。
木枯らしモンブラン
いいタイトルです。ですが、このタイトルが後のバンドの方向性を決めてしまった場合に、不幸な結果を招くのは必至なので却下です。
シベリア超特急
これも非常に曲にマッチしたいいタイトルですが、しきりに映画解説者の顔がよぎるのと、興行的に失敗なイメージが付きまとうので却下です。というか単なるパクリでしょう。
シベリア鈍行
もちろん却下です。
というわけで仮タイトルは「ガスライト」ということに決まりました。冬と鉄道と旅と外套を足すとガスライトが出てきたのです。いいんです。仮タイトルですから。
今回のコミック
「石の花」という作品を探しています。